監理団体の脱税は「監理団体の許可の取消し」事由に該当するのか?
「国税法」に則った裁きと罪を償ったようだが「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」に抵触するのか否か
<脱税→認定取消?>
技能実習制度における監理団体「アジア共栄事業協同組合」が約2億円の所得隠しを国税局から指摘され、重加算税を含む追徴税額は約1億円を支払っていたという報道がなされました。
いわゆる脱税かと。
(※所得隠しと脱税は違うという見解もありますが、その区分において明確な線引きはないそうです。)
2億円を超える脱税は、本来なら刑事裁判で争われる事由らしいですが、今回の件がそうならなかったのは悪意であったことを立証できないからだそうです。(※報道等を読んだだけなので真相は判りません。)
では、次に気になるのは、アジア共栄事業協同組合の「監理団体(優良監理団体だそうです。)」としてのライセンスは剥奪されるのか否か、です。
数多ある監理団体の中でも比較的大きな監理団体です。
コロナ禍で入出国できない技能実習生・技能実習生候補生たちが何千人、何万人といると言われている中で、この規模の監理団体だったら抱えている人数は百を優に超えるでしょうし、千人と言われてもさほど驚きはないぐらいです。
そのような最中で「監理団体のライセンス剥奪」は、ベトナムの送り出し機関とは影響度が違います。
ベトナムの送り出し機関は、グループがたくさんあるので違う送り出し機関に移せば済みます。
監理団体もそのリスク回避策を準備していたのかどうか・・・。
<取消し事由はどうなるのか?それとも取り消されないのか?>
”所得隠し"または"脱税"がライセンス取消事由に該当するのかに続き、報道によると「各支部に監理業務の一部を委託していた」とされています。
先の取消事例で「自己の名義をもって、他人に監理事業を行わせていた」という理由があります。
各支部とは何だろうか???
技能実習生業界は、建前上は監理団体が管理することになっているけれど、実際は送り出し機関やその関係者が管理しているということが多々あります。
知り合いの日本人がベトナムで働きたくて選んだ送り出し機関だったのに、組合(=監理団体)に出向させられて日本に戻ったという話を聞きました。
出向だったらいいのだろうか???
大きな監理団体だと不思議な力(例えば政治力)が動いて、おとがめなしのままうやむやにして終えられるのだろうか・・・。
今後の展開に注目しています。