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技能実習から特定技能移行を見込んだ採用の落とし穴

技能実習から特定技能移行を見込んだ採用の落とし穴

「10年間は労働力を確保できる」と見込んだ採用の見落としがちな点

コロナ禍でビデオチャット面接が主体となりました
コロナ禍でビデオチャット面接が主体となりました

「特定技能」の悪口

  1. 時間と労力と費用をかけて採用してもその分を回収できぬまま本人が転職する可能性がある
  2. 日本人と同じ待遇と決められているので、日本人の採用や雇用を調整せねばならなくなり、採用・雇用条件が不利になりますます日本人を獲得・確保するのが難しくなる可能性がある
  3. 雇用期限に上限がある(特定技能2号やに移行できる職種や介護は除くが、ほとんどが特定技能2号に移行できない)
  4. 書類が面倒
  5. 建設業の場合、JACに加盟しなてくはならない

採用される外国人(ベトナム人)からすると、

  • 試験に合格しなてくはならならい。
  • 雇用期限に上限がある(特定技能2号やに移行できる職種や介護は除くが、ほとんどが特定技能2号に移行できない)
  • (技能実習生OB/OG以外は)仲介業者に手数料を支払わなくてはならない

という厄介な点があります。

 

従って、雇用する側・される側の双方からそっぽを向かれつつある特定技能です。

 

新型コロナウイルスの影響もあるのでしょうが、フィリピン・カンボジア・インドネシアではそれぞれ国内試験が行われているようですが、ベトナムでは未だに試験予定日すら発表されていません。(2020年12月5日現在)


外国人労働者数1,658,804人のうち技能実習生は全体の23.1%で383,978人
出処:厚生労働省HPより 令和元年10月末現在

<悪評高い技能実習制度>

 

家畜窃盗事件や在留カード偽造事件など続々と逮捕者が現れ、その度に不法滞在のベトナム人・失踪技能実習生が報道されて、ますます評判を落としている技能実習制度です。

 

技能実習生を受け入れるメリットの1つは、3年間は雇用できる可能性が高いという点です。(※失踪、離職の可能性があります。)

 

できる前までは期待されていた新在留資格(特定技能)がとんだ期待外れの代物だったため、再び技能実習生の採用が積極的に進められています。

 

受け入れ企業のことを考えれば技能実習生の方が利便性が高いですし、採用・雇用される外国人(ベトナム人)にとっても内定を受けてから日本語等の勉強に取り掛かれるので安心感が得られるようです。


技能実習1号(1年)+技能実習2号(2年)+技能実習3号(2年)+特定技能(5年)=計10年

ベトナムでの結婚式の様子
ベトナムでの結婚式の様子

<合わせ技採用>

 

まずは技能実習で採用して、技能実習修了後(3年または5年後)に特定技能に切り替えるという方法を進めている送り出し機関があります。

 

悪いことではないのでしょうが、ここでも特定技能のろくでもなさが現れていて、特定技能1号の配偶者は「家族滞在」の在留資格を得られません。(ちなみに技能実習生も同じです。)

 

<結婚について>

 

技能実習生も特定技能外国人も結婚することはできます。

母国でも、日本でも。

 

けれど、相手が日本人または別の在留資格を持っている者でなければ一緒には暮らせません。

 

技能実習生の多くは20代です。(たまに19才という者もいますし、30才以上もいますし、既婚者もいます。)

3年ならまだしも10年となると独身者は婚期が遅れる、婚期を逃すと考える者もいます。 

 

本人たちは面接時に「できるだけ長く働きたい」と採用されたいがために自己PRでいうと思います。

 

けれど、受入れ企業が「最長10年の雇用が見込めるな」と考えた上で採用しても、

実現する可能性は低いのではないかと考えます。

 

お気をつけください。

 

<おまけ>

 

なお、ついでにもう1つ特定技能の悪口を加えますと、

例えばエンジニアでもあれば満10年日本で継続して働いていると永住権を得られるのですが(審査があります)、

技能実習も特定技能もこの10年の期間に含まれません。

 

特定技能の数少ないメリットは、技能実習生は採用人数に上限があるのに対して、

特定技能は上限がないことだと言われています。