辞めない仕掛け「胃袋をつかむ」
ベトナム人スタッフの貢献意欲・定着率の高める経営
<ベトナム独特のチップ文化>
諸説あるようですが、本来、ベトナムにチップ文化はないそうです。
けれど、フランスの統治下時代の名残や外国人観光客・移住者が続々と増えたことでチップをもらうことが当たり前となった業種(マッサージなど)・店が誕生しました。
飲食店も3パターンありまして、ベトナム人がローカルの飲食店で食べてもチップは払いません(「おつりは要らないよ」というのはしばしばあります。比較的高級店に行くとチップを払ったり、会計の中にサービス料が含まれていたりします。ベトナムにある日本料理店(日本人オーナー)はなぜか日本文化が適用されて、原則としてチップ不要とされています。けれど、払う人もいます。
欧米だとチップはその本人が受け取っていいということが多いのだと思いますが、ベトナムの場合は店ごとにルールが決められていて本人がもらって良しとすることもあれば、全員で分ける、「その他」というのもあります。
<その他の方法の1つ>
ホーチミンにあるなじみの中華料理店へお昼の営業時間終了間際に訪れたので、帰り際、スタッフさんたちが自分たちのまかないを仕度していました。
しばしば見かけて、たまに味見させてもらったりもするのですが、今回もおいしそうです。
「だんだん豪華になっていくのでは?」と日本人の店主さんと談笑していたところ、どうやら"まかない分"の予算はもともと組まれていて、さらにお客さんからもらったチップが加わるのだそうです。
つまり、たくさんのお客さんが来てくれて、彼らをもてなし喜んでもらえるとチップも増えて、自分たちの食事が豪華になっていくという解かり易い連動型です。
さらに、毎日いっしょ食事することになりますし、誰が作るかについては交代制のようでホールの女性が厨房に入って作っていたりするので、仲がどんどん深まっていきます。
飲食店だからできる取り組みであり、これを建設業に取り込むことはできないのですが、来年度に向けて「貢献意欲・定着率の向上」を実現する仕組みを準備していたので良い刺激を受けられました。
ちなみに、手前の目玉焼きが2つ乗っていて最も量が多いのは今回のまかないを担当したホールスタッフの女の子の分です。