自分自身は硬式野球部に所属していなかったですが、母校は自分が1年生のときに東京・大阪と並ぶかそれ以上ぐらいに激戦区の神奈川県大会を優勝して、関東大会でも好成績を収めたことで春の甲子園に出場した高校野球の強豪校でした。
クラスメイトの中には、中学時代に神奈川県大会で優勝した中学校の中心メンバーがいたり、神奈川県内各中学校から実力と才能と成績が認められた球児たちが集められていました。
公立学校だったので、私立学校ほど大胆なスカウトはできなかったようですが、私立学校だと野球推薦の特待生として入学すると野球部を辞めたときに環境が激変してしまうので、公立学校の方がよかったという話を聞いたことがあります。
実際、硬式野球部内での掟がいろいろとありまして、当時は非常に厳しいものだったので100名弱ほど入部するのですが半数ほどは途中で退部してしまいます。
硬式野球部員たちは、野球漬けの日々です。
もちろん、他の生徒と同じように授業や定期テストを受けるのですが、勉強しないのでクラスの最低点争いで盛り上がっているのは硬式野球部たちでした。
硬式野球部だけでなく他のスポーツもいくつか力を入れている分野があり、
学校側も彼らに期待しているのは部活なので、彼等でも進級できるテスト作りが行なわれていたような気がします。
少なくとも母校における当時の硬式野球部員たちの高校生活は、9割が部活、1割がその他だったと思います。
そこに学業は1~2%があるかないか・・・。
けれど、硬式野球部員で過酷な練習に取り組みながら学業でもトップクラスに入り込む者が学年に1~2人いて、
彼らはたとえレギュラーにならなくても、部内でも部外からも「すごい!」と称賛されていました。
硬式野球部員たちの夢であり、目標はプロ野球選手になることでしょうが、
高2・高3と上がっていくに連れて実現可能な進路を考えるようになります。
「旅に出る」「ミュージシャンを目指す」などといった場合を除くと、
高校球児に限らずほとんどの高校生は進学か?就職か?の2択に迫られます。
硬式野球部員たちの中でも進学を希望する人たちが多くいました。
理由は、様々で就職したくない、野球を続けたい、教員免許を取って指導者になりたいなどなど。
今は、定員割れをしている大学があるようなのでお金さえ払えばどこかには入れるのでしょうが、当時は耳にしたことがありません。(専門学校はそういう状況だったかもしれません。)
彼らの進学先は野球での結果によって変わります。
甲子園に出場した際の大黒柱的存在だった先輩は、東京六大学野球に加盟している大学へ推薦入学しました。(特待生扱だったのかどうかはわかりません。)
試合に出場またはベンチ入りできると、東京または神奈川県内の大学から声をかけてもらえるようです。
自分が3年生の時、硬式野球部は甲子園には行けなかったのですが、1年のときから実力が認めらえていて甲子園で試合に出場したり、ベンチ入りしていた同級生がいます。
試合に出場した者は神奈川県内の大学、
ベンチ入りした者は地方の大学にそれぞれ受験なしで推薦入学できていました。
それ以外の硬式野球部員たちは自分たちと同じく公募制の推薦枠に申し込んだり、一般受験をしたりです。
高校球児たちにとっての甲子園は今でも進学先に影響するはずなのです。
トライアウトを実施するという話が浮上していますが、それはプロ野球と大学が共同で実施するものなのか・・・?
そうあってほしいですが、実現可能性は乏しい気がします。
甲子園に出場する・しないで人生が決まるわけではないと思いますが、
その過程においてどれだけの熱量を持って取り組み、発揮できたかによって、
「次(≒進路)」が変わります。
その発揮するステージを取り上げてしまうことはあまりに残酷です。
本人および親権者に選択してもらって、同意を得た者たちだけでも大会開催を行なってほしいと思います。
高校野球夏の甲子園中止を考え直してほしいです。