ホーチミンのラーメン店ランキング 2020新春
注:あくまでも独断と偏見です。
Đường Lê Thánh Tôn × Thái Văn Lung レタントン通り×タイバンルン通り
~ まえがき ~
ますます成長して増加するか、失速して淘汰が進むか・・・注目のベトナム社会主義共和国最大の商業都市ホーチミン市のラーメン業界です。
現在、日本人街と呼ばれるレタントン通りとタイバンルン通りが交差するエリアでは、群雄割拠のラーメン店戦国時代と化しています。
日本人居住者は増えているものの供給過多は否めないほど競合店が増えてしまったラーメン業界です。
賑わいをみせているのは、日本人だけでなく、ホーチミン在住韓国人・台湾人などを取り込んでいるお店。
一部のベトナム人富裕層はカウンター席を嫌い、頻繁には通いません。
日本フリークのベトナム人も頻繁には通いません。
日本人に連れてきてもらう、または日本人をもてなす際に使うことはありますが、頻度が少ないです。
故に、ベトナム人顧客を安定的に獲得できているのは一風堂さんぐらいですが、一等地だけに賃料がどう影響するのか気になります・・・。
どうする?どうなる?と興味深いホーチミン市日本人街のラーメン店を個人的意見でランキングします。
同率1位
しょうゆ味、みそ味、トンコツ味に優劣つけるのは難しく、
ラーメン専門店のこだわり抜いた正統派醤油ラーメンと、中華料理店の大衆に愛されるラーメンは自分にとって同格です。
札幌味噌ラーメンも大好きですし、博多豚骨ラーメンも大好きなので、その時々の状況で食べたいラーメンが異なります。
それを踏まえ、同率1位が続きます。
1位(しょうゆラーメン):とみだや
とみだやさんの登場以前と以後で「ホーチミンのしょうゆラーメンが変わった」と言っても過言でないと思います。
自分は、カップラーメンも好きですし、海水浴場の海の家で出てくるような「こだわりぬいていない」素朴なラーメンも好きです。
もちろん、職人さんがこだわって作ったラーメンも大好きです。
とみだやさんは、日系レストランのメニューの1つやビジネスチャンスだと狙って立ち上げたラーメン店とは一線を画し、ラーメン職人さんが作った味だと思います。
なので、当初、ご主人が作る味と、ベトナム人スタッフに任せた味がぜんぜん異なりました。
微妙な加減で、うまいとまずいがはっきり分かれる繊細なラーメンです。
1位(とんこつラーメン):一風堂
言わずもがな世界の一風堂さんです。
王者の風格を存分に出して、超一等地に君臨しています。
世界中各地で愛され、実績を残してきた一風堂さんが、
ホーチミンで愛される4Psさんと手を組んだことが懐の大きさと強さ・柔軟さ・適応能力の高さを感じました。
店員さん(日本人もベトナム人も)がまったく威張っておらず、物腰柔らかいのがとても印象的でした。
1位(味噌ラーメン&あんかけラーメン):中華ダイニング洋
2019年時点では、味噌ラーメン専門店の田所商店さんでした。
それは中華ダイニング洋さんの味噌ラーメンを食べたことがなかったからなのです。
はじめて食べたときに感動してしまいました。(※当時と味が変わったので今はオススメしていませんし、変わってしまった味ならランク外です。)
味噌ラーメンに特化した「すみれ」さん(※ベトナムにはなく日本を思い出しています。)ももちろん素晴らしいのですが、
自分が学生時代に通った高校の近くにあった中華料理店の味噌ラーメンが大好きでした。
高校生時代に足繁く訪れたお店ですが、大人になってからもチャンスがあれば自転車を1時間漕いで行く価値が充分にあるお店でした。
後継者はおらず、ご主人が腰を痛めて調理できないので閉店してしまったようで、世界一の味噌ラーメンを失ったと長年悲しんでいた中での出会いでした。
3日連続で味噌ラーメンを食べに通ったほどの感激でした。
そのせいかどうか、2020年の大相撲年越しカレンダー(相撲力士だった時津洋さんとゆかりのあるお店です。)をもらい、部屋に飾っています。
1位(つけ麺&辛い系):暖暮
一風堂さんが進出する前は、とみだやさんと並んでダントツの2強でした。
一風堂さんが同じ商圏に参戦してくることでどうなるかと危ぶまれましたが、
根強い人気を誇っています。
一風堂さんはスタッフが自店のメニューやサービスを理解していないミスが多いので、客として初めて頼むメニューに対してオーダー側も受けた側もこれでいいのか間違っているのかが分からないのでブレが多々生じています。
博多豚骨ラーメンが看板メニューであると思うのですが、筆者はここのつけ麺が好きで、細麺が好きだということもありホーチミンNo.1です。
また、辛い(スパイシー)系は一風堂さんと違って社員教育やオーダーシステムがしっかりしているので安心できます。
同率2位
1位と同じ理由で高いレベルでの競い合いでは種類が違うと、同率が生じます。
3位以降は1店ずつにします。
2位(味噌ラーメン):田所商店
味噌ラーメン専門店として、きちんと美味しいです。
北海道・信州・伊勢・九州味噌を日本から輸入し、バラエティー豊かなメニュー構成で、全国各地出身の日本人在住者に対応しています。
ランチタイムが終わり、他店が休憩中の時間帯も営業しているので、忙しくて昼食を食べ損ねたときなどは本当にありがたい存在です。
中華ダイニング洋さんとの差は「(個人的な)ハマリ具合」だけで、総合的味噌ラーメン部門では田所商店さんがチャンピオンです。
(中華ダイニング洋さんは、日本式中華料理店のチャンピオンだと思っています。)
2位(太麺):豚骨一燈
「太麺と細麺のどちらが好き?」という2択で自分は細麺が好きなだけです。
うどんより、蕎麦が好きです。
細いうどんもありますが、細い蕎麦がもっと好きです。
ただ、それだけです。
太麺が大好物な方々がたくさんいらっしゃると思うので、きちんとご紹介しないといけないお店です。
細麺好きだから2位なだけです。
太麺好きならダントツ1位かもしれません。
3位
博多家ふくろう【閉店】
一風堂さんや中華ダイニング洋さんと比べると、ふくろう先輩です。
野菜を摂れるラーメンを開発してくれたり、自分が好きな替え玉システム。
テト期間中、周囲がこぞって休む中で営業してくれたり・・・と、いろいろ恩義があるお店です。
大当たりがないので訪問頻度が下がってきてしまいましたが、、外れメニューのないお店です。
自分はそれが食べたいを思うことが少ないので他店と比べることがないのですが酸辣湯麺(スーラータンメン)は特長メニューだと思います。
4位
龍神【閉店】
繁盛店。
それ以上に結婚記念やプロモーション写真のロケ地(※店外)としてベトナム人に大好評を博しています。
すべてのメニューを食したわけではないのですが、
総合力は高いけれど、際立った個性もないという印象です。
ふくろうさんより上の順位でもいいのかもしれませんが、
理由はただ単に"町の中華料理屋さん"が好きだという筆者の好みです。
5位
千蔵
おいしいとは思いますが、田所商店さんから仕入れていると分かったので興ざめして行かなくなりました。
特に際立ったメニューも、価格破壊もないようですし。
大繁盛とはいかなくとも、そこそこの客入りを見かけるお店です。
その個性が、わかる人にはわかるのかもしれませんが、
自分にはわからないので足が遠のいてしまっています。
6位
鶏そばムタヒロ
これも好みの問題で、平打ち麺で、食感がヌルっとしていたので好きではありませんでしたが、
「まずい」とは感じぬ、しっかりしたラーメンでした。
お店の立地が奥の分かりにくい場所にあるので、目立つ場所にあるお店と比べると不利であると思いますが、順位は人気度でなく、味で決めています。
7位
きりん寺【閉店】
これも筆者の好みで、油そばをムショーに食べたいと思う日が1年に一度もない暮らしをしてきました。
ここで1度食してみましたが、再び食べたいとは思えずにいます。
油そば・まぜそば部門でも、暖暮さんが上だと思います。
油そば・まぜそばがどうしても食べたくなり、暖暮さんが満員&行列だからという条件が加われば再訪があるかもしれませんが、しばらくはないと思います。
8位
こころ【閉店】
ブイビエン通りに1号店をつくり、2号店がレタントン通り×タイバルン通りに参戦してきました。
古い友人(ベトナム人)が関わっていたようで、たまたまオープンのときに出くわして、
これもご縁だと入店したらおいしかったので、その後、何度か訪れました。
けれど、店が最もウリにしている"すみれ風"を食べたときに油のギトギト感しか感じられず、
「おいしくない」と思ったので、しばらく行かなくなりました。
友人も辞め、もっとおいしい味噌ラーメンが近くで食べられる状況で、
再訪する理由がなくなっています。
9位
でびっとらーめん【閉店】
オープンして間もない頃に1度訪問しました。
2分の1から5分の1の価格で食べられるベトナムのラーメンと同じだという感想を抱きました。
まずいラーメンではないです。
ベトナムのラーメンがおいしいのです。
でも、価格は5倍。
これをデビット伊東さんのネームバリューで埋めようとしているのか・・・?
芸能人のファンを増やすのか、ラーメンを変えるのかの選択が迫られているという印象です。
【追記】
真相は定かではありませんが、人づてに聞いた話によるとベトナム人を集客しようと、ベトナム人の味覚に合わせた調理にしたという話を聞きました。
そうだとすれば価格もベトナム価格の1杯15,000VND(75円)~にしなくてはならず、そこの家賃は日本並なので作戦がズレていたことになります。
10位
麺処大ちゃん【閉店】
老舗です。
おそらく老舗ラーメン店の経営者は、それだけを生業としていないはずです。
また、古き仲の常連客も多いはずです。
ラーメン店から始まり、徒歩数歩に牛丼店を作って、今は合併しましたが、
このままずっと続けてほしいなと思うお店です。
11位
DAIICHI
大ちゃんラーメンと同じ経営者のようです。
ベトナムの日式カラオケ店と併設しているので、ウリは「ラーメン」ではないと思います。
一度、ラーメンを食べに行きましたが、
もうラーメンを食べに行くためには行かないです。
12位
ラーメンバーすず木
設立時は、それがビジネスチャンスだと捉えた気持ちはわかります。
(イケイケどんどんの時期でした。)
しかし、予想以上に他店のラーメンが高度化したのだと思います。
今は「何を与えたいお店」なのかが分からないお店となりました。
フリーペーパーに掲載されている広告を見ると、
物悲しさを感じます。