ベトナム人技能実習生業界の採用面接において「補欠採用」という風習があります。
例えば、採用人数10人とすると、10人中何人かは内定から入社までの半年~1年の間に、途中で辞退・挫折・病気などで当初の予定より減ってしまうことに備えて、採用人数以上に内定を出しておくのです。
内定時に「あなたは補欠合格です」とする場合もあれば、内定時には区分けすることなく、今後の日本語上達度や授業に取り組む姿勢などの学校からの報告を勘案したり、数か月後に再度面接したりしたりする場合もあります。
日本の受入れ企業や監理団体が補欠合格や補欠が含まれていることを送り出し機関側に伝えたとしても、送り出し機関(ベトナムの会社)は本人たち(ベトナム人)にそのことを隠す(=伝えない)ことがしばしばあります。
なぜならば、本人たちに補欠であることを伝えると、本人たちはそれを受け入れず、辞退します。そうすると、補欠採用制度を維持できないのです。だから、あくまでも本人たちには内定がもらえたので、これから日本語の学習に励んでくださいと伝えます。そして、彼らが寮生活で毎日勉強に励んだ数か月後、ある日突突然居なくなります・・・。